昔の夢 5


 サービス 

 

今日はサービスの話です。
 
秋に入り、当地では観光バスを良く見かける様になってきた。

お決まりのコースを廻って、いざ、旅館へ。

日本中の旅館が採用している接客サービスでお出迎えである。
ロビーで女将さんや仲居さんが笑顔で頭を下げる。
 
小生などは挨拶されると、つい一人ずつ頭を下げて挨拶をしてしまうので、
どっちが客か判らなくなる。

くわえたばこ で、一度は 堂々とロビーを通ってみたい。

又、帰りには女将が玄関で『 またのお越しをお待ちしております。 』 と手を振る。
バスの中の客は、部屋の冷蔵庫の請求書 に疑問を感じながら
二度と来るものか 』 と苦笑いしながら手を振る。

ファミリーレストラン ではお姉ちゃんの 『 いらっしゃいませ〜! 』 から始まり、
ご注文は以上でよろしいですか? 』 、『 ご注文を繰り返します。』 と
注文をとりに来る。

だけど、何であんなに早口なのだろう。

ステーキを注文すると焼き方まで聞かれるが、
果たして、レアーウエルダンに違いがあるのだろうか。
今度、夫婦で試してみようという気にさせられる。

それにしても、ウエートレスには妙に明るくて元気のいい背の低い人が多いと
感じるのは、小生だけだろうか。

回転寿司は一般的に接客サービスは無いに等しい。
挨拶も 『 へェ! いらっしゃい! 』 で、ぶっきらぼうである。
単に、威勢がいいだけである。

下手をすると、名前を書いて、呼び出されるまで待たされる。

席に着いて寿司を食べる時も、お茶は自分で入れて、寿司も自分で取って食べる。

どこかの歯医者さんのように、待つこと2時間、5分で診察とまではいかないにしても
10皿も食べると、すぐにお勘定である。

サービスらしいサービスと言えば、たまに、注文に応じて寿司を握ってもらえる事と
無料寿司券(割引券) がもらえる事ぐらいである。

店長も甘い考えで、客を待たせる事がステータスの一つと考えているのではないか。
 
待たすだけ待たせて、家族をバラバラに座らせる様では、問題ではないか。
寿司は美味しいが接客態度(方法)に問題がある お店もあるみたいである。

本来、回転寿司は待たずに食べられると言うのが魅力であったはず。

回転寿司はどこも味が良くなってきた。
待たずに美味しい寿司が食べられる店も沢山ある。

一流ホテルが自動ドアーの横にドアーボーイを立たせる様な、サービスはやめて、
気楽に寿司が楽しめる店を希望する。     
  
 


 一反木綿 

 
 
夜釣りで久しぶりにヒラメ を釣り上げた。
 
30cmクラスである。
小生の庵からは海まではそう遠くはない。

持ち帰ったヒラメ を夜中にも関わらず、早速、料理し始めた。
 
まな板の上にヒラメ を置き、血抜きをするのであるが、
今回は、いきなり包丁で、首ねっこをぶっすり。
たまりかねたヒラメ はまな板から飛びだし、
当家のキッチン内をペタペタ飛び回る始末。
 
床は血だらけになり、天井までも血潮が飛び散った。

昔の漫画(味平?)に鯛の身をおろして骨だけにして
生け簀にもどし泳がせるという場面が有った。
 
腕のいい職人の手にかかって身を削がれると鯛も気が付かないのだろうか。
元気に泳ぐ と言うストーリーである。

ある板さんに聞く機会が有ったので、聞いてみた。
内蔵を傷つけずに、あまり多く身を削がなければ、出来る 』 そうである。
しかし、問題が一つあり、身を削いだ鯛を生け簀に戻す事だそうである。

生け簀には沢山の魚が入っているので、
身を削いだ鯛を入れると、鯛の油 で生け簀の水が汚れてしまい、ほかの魚が死んでしまうとの事。
 
汚れた水(海水)の処理が大変な仕事 になるのである。

真夜中のヒラメ騒動 で、ふとこんな事を思いだしこのヒラメ でも出来るのでは、と
良からぬ考えを巡らすほど元気がいい。

鯛はに泳ぐがヒラメは、横泳ぎ である。

何となくカッコウ が悪い。一反木綿 (妖怪)みたいになってしまう。
生け簀もない。バケツの中と言う訳にもいかない。
動物愛護協会 からも叱られそうである。

やっとの事で、ヒラメ の五枚おろしは成功したが、縁側 はどこかへ行ってしまった。
昆布を用意して、こぶ締めに挑戦してみた。
これで明日の夕食が楽しみとなった。

ヒラメ は、寿司で食べても美味しいが、こぶ締めの刺身が絶品である。
友人を呼び ヒラメ のこぶ締め宴会を催した。

宴会では美味しい美味しいと一件落着しそうであったが、
いきなりの会話で小生は顔面蒼白

右カレイ、左ヒラメ 』 と言う言葉が飛び出したのである。

昨夜のヒラメ は?,,,,,, 家族全員、と証言、小生一人が左派

絶対に新種のヒラメ である !
  
この新種のヒラメ を出席者全員で 笹ヒラメ、あるいは、メイタヒラメ と名付ける事にした。
 
諸君の中にも釣りを趣味とされる方がおられると思うが、
新種の笹ヒラメ のこぶ締めを一度味わってくだされ。
  
    


 緑平目 

 
 
商用で 高級割烹 の会席料理 を頂いた時の話。

事前に連絡を取って高級割烹 に訪れたため、入口には、老山人御一行様 の看板が出されていた。
なかなか、リッチな気分になる。(こんな事では、修行が足らないと反省。)
 
店に一歩入るとそこには大きな生け簀 があり、お決まりの活魚が泳いでいる。
生け簀は2つあり、1つはガラス張りの横から透けて見えるタイプと、
もう一つは、プールの様に床に設置した生け簀 であった。
 
プールを覗いて見ると、ヒラメ がプールの底に張り付いている。
この魚はもともと砂場に生息するので、体の色を茶色や黒茶色 に変化させている。
 
しかし、よくよく見ると、このヒラメ君 緑色 である。
新種のヒラメ かな。それとも、宇宙から来たのか(宇宙人の血の色は緑?)
 
不思議におもって仲居さんに聞いてみると、このヒラメ は長年この生け簀に住み着いていて
プールの底に塗って有るペンキの色(緑色) に変色してしまったとの事。
 
席に着き、宴席が始まると、さっそく、その話で、盛り上がった。
と、その時、板さんと一緒に緑ヒラメ君 が登場した。

小生ら御一行様がこの緑ヒラメ君 をいただく事になるとは、思ってもみなかった。
 
板さんにその話をして又、盛り上がる。
 
板さん曰く、
一日生け簀に入れておくと色は変わってしまうとか。
また一つ賢くなった。
 
鯛の活き造りでは、鯛が 『 お前ら、わしの身を食うのか!
と、いわんばかりの恨めしい目をして片目でにらんでいるが、
 
緑ヒラメ君 は、両目でにらんでいる。
 
活き造りはそうたびたび食べつけない小生。
ヒラメ君 の人生を想えば、美味しい、美味しいとは食べにくい。
 
回転寿司 では、縁側 は時々いただくが、なかなかありつける代物ではない。
ここで食べないと又 数ヶ月 お目にかかれない。
心の底で手を合わせながら、頂いたが、美味しかった

わさびは、もちろん本生わさび である。     
日頃、回転寿司の粉わさび と、家庭のチューブ入り を常食にしており
醤油に本わさびを入れても、何となく物足りない。
 
食べ終わった皿をつい重ねてしまうのも、
回転寿司の癖 が染み付いているからであろう。
 
やはり、活きのいい魚は、寿司に限る。
それも周り(まわり)を気にしないで(回転寿司は廻り を気にして)
ゆっくりと、気ままにお茶なんぞをすすりながら回転寿司を食う。

このちらの方が、ずっと美味しい。 本当です。!!...?
   
    


 ピンセット 

 
 
回転寿司以外にカレーも好きである。
 
インドに数回訪れたことがあるが、本場のカレーは正直に言って嫌いである。
 
友人などに 『 本場のインドカレー 』 の あそこの店が美味しいと聞けば、
美味しいと聞いただけで、 『 本場では無い 』 と思ってしまう。
誘われて一緒に行くが、必ず ビーフカレーを注文する事にしている。
 
インド人は牛肉を絶対(?)に食べない からビーフカレーはインドには存在しない のである。
 
らっきょう と、福神漬けが薬味入れ に入れて置いて有るが、これも もちろん存在しない。
 
この薬味入れ(ガラス製)の横には、例の使い難いピンセット みたいな物がある。

  薬味入れ

らっきょう は1つしか摘めないので、沢山食べたい小生は苦労する。
 
スプーンですくってしまう勇気も無いので、いらいらする。
 
たぶん、らっきょうを沢山 食わせないために、開発したのだろう。
福神漬け も うまく摘めない。
 
さらに、横に掛ける構造も いただけない。
蓋を閉めてから でないと使い難いピンセット は掛けられない。
実に、使いにくいが 良く売れているみたいで、
カレー屋さんには必ずと言っていいくらいにテーブルの上にある。
 
回転寿司は、薬味入れ の代わりにガリ入れ が置いて有る。
カレー屋さんと同様に、ピンセットの親玉(トング) が付いているが
こちらは、一様 容器に収納出来る。
実に、使いやすい
 
あれで、らっきょうを出してもらえると、嬉しいのであるが、
そうも行かないのであろう。
 
回転寿司のお店によっては、ガリの入れすぎで 蓋がうまく閉まらない時がある。
何も、あんなに いっぱい入れなくても良いのではないかと思う。
 
薬味入れを見習って欲しくは無い が、もう少し小さくても良い。
あるいは、トング を小さくするとか。
 
小生はガリをあまり食べないから ガリ入れが邪魔に思える。
 
いっそ、ガリと漬け物を セットで、100円皿 に乗せてしまえば、
カウンターの上がすっきりする。
 
聞いた話だが、ガリをつまみにしてビールを飲んでいて全部食った豪傑がいるそうだ。
なにせ、無料だから沢山食べても とりあえず 問題はない。
 
好きな方は、挑戦してはいかがですか。
お替わり すると業界のギネスに載りますよ。
      
    


 サンスクリット語 

  
 
シャリ の語源はサンスクリット語のシャリーダが語源らしい。

仏舎利と言う言葉がある。
これは、釈尊(釈迦)の骨の事である。

それほど大事な物の名前が付けて有るのが、寿司のシャリ である。

日本にも沢山の仏舎利塔が建っているが、
まさか、本物の仏舎利が入っているとは誰も思っていない。
では何が入っているのだろう。(鰯の頭かな?)
 
寿司のシャリ では、一般に 20g前後で、500粒が理想と言われている。
たぶん、諸君もご存じであろうが、たち寿司の出前のシャリ は少し大きい。

そのシャリ も人に寄って好みが違う。
酢の効いたシャリ の好きな方もいれば、
甘酢が好みの方もいる。

シャリ の温度は,人肌の温度が最適とされている。
そのため、たち寿司ではいろいろと保温に苦慮している。

だが、新人類の回転寿司族に至っては、
常温のシャリ を好む傾向が現れはじめた。

スーパーの包装寿司や、テイクアウトの寿司を食べ慣れた新人類は
人肌のシャリ を嫌う傾向が有る。
中途半端に生ぬるい と言う感覚らしい。

回転寿司では、握ったばかりの寿司は人肌の温度になっているが、
時間経過すると当然 冷たくなる。
ベルトの上には、人肌の寿司冷えた寿司が混在する事となる。

人肌の寿司の皿を取った場合、貴方は、いい寿司を取ったと思われるか
あるいは、『まだ この寿司暖かい 』 と思い 『寿司屋の手抜き だ。』と思われるかで、
新人類 か、旧人類 かに区別される。

にぎり方もシャリ の中心部に空洞が出来る様に握る。
しかし、これを、シャリをケチっている と思われると心外である。
 
これが 本物の寿司 である。

とは言っても、そば通が粋(いき)がってつゆ を付けずに食べていたのと同じで、
旧人類の戯言(たわごと)になりかけて来た。
新人類の方が多勢に成りつつある。

どんな寿司が果たして回転寿司に向く のか研究する時期に来たのではないか。 

懐石(会席)料理は、本来の懐石(ふところの石の意)からはずれ、料亭に変身してデビューした。
本当の懐石料理を食べるには満腹寺(比叡山)へ。

良識ある諸氏は、たち寿司、回転寿司の魅力を区別しておられると思うが、
この辺で回転寿司の味を確立して、たち寿司と 味の一線 を引いた方が良いのではないか。
                                            
 
 


 麻薬の取引 

 
 
朝夕はめっきり涼しくなって、もうすっかり秋である。

秋と言えば、スポーツ、食欲、読書と色々の秋がある。

運動会 もあちこちで開かれる。
弁当には おにぎりか海苔巻きと相場は決まっていたが、
サンドイッチやファーストフードがのしてきた。

新聞の折り込みにもテイクアウトの食品や宅配食品のコマーシャルが目立つ。

土曜の夜に近所の友人と夜釣りに出掛けた。



お互いに、中学生の男の子を連れてのアジ釣りであり8時ごろから釣り始めたが、
大漁であった。

場所は小さな防波堤の先端で10cm位のアジが一人50匹位の釣果。

9時頃であったか、一隻の豪華な双胴のヨットがその小さな防波堤に近ずいてきた。
この場所にヨットなんかは滅多に接岸しないのにと不思議に思っていると、
さらに、反対側から一台のバイクがこちらに向かってきた。

闇夜の中で何か怪しげな取引を行っている様子。
おお! さては今はやりの、麻薬の取引 か。

目を凝らして見るとバイクは、配達ピザ屋 のバイクである。
ヨットのオーナーが携帯でピザを注文したのである。
配達先が、ちっぽけな防波堤のさきっぽだっただけの話であるが
金持ちの考える事は違う。

我ら一同、唖然と事の成り行きを見守るだけであった。

その後、釣り場はヨットのせいでアジが釣れなくなったのは言う迄もない。

釣り場には、いろいろな屋台がやってくる。
たとえば、ラーメン屋、焼き芋や、ハンバーガー屋、ホットドッグ屋などはよく見かける。

釣りをしながらピザの宅配を注文した人を見たのは初めてであった。

その理屈でいけば、宅配寿司 を注文しても良いはずである。

無理矢理、寿司にしたが、ピザでもラーメンでも天丼でも良いはずである。
ただ、ラーメンとか天丼は丼を引き取りに来て貰うか、
持っていかなければいけない不便さがある。

新商売の宅配云々とかテイクアウトと言う商売は
容器の使い捨て がキーポイントになっているのではないか。

出前と宅配の違いは容器の回収 にあるのでは?

出前のラーメンは丼に入っており、宅配ラーメン(こう言う名前のラーメンが有るかは不明 )は
カップラーメンの様な発砲スチロールの容器に入っているイメージである。

我々庶民も PHS で運動会の会場に寿司を配達して貰っても良いはず。
ちょっとリッチな気分になれるか、はたまた、隣の人から 馬鹿にされる かは、
貴方の日頃の人間性がものを言うのであろう。

一度、お試しのほど。     結果の報告を宜しく。