昔の夢 8


 マッチョマン 

 
 
裏通りのラーメン屋には汚さを絵に書いた様なお店 がある。
 
スーツを着て食べに入った時などは、カウンターに袖が触れない様にして
食事しなければならないほど、(視覚的に)汚いお店 もある。
 
だが、汚いのは、視覚的に汚く見えるだけで、その店で食べたから
すぐに食中毒になってしまう わけではない。
  
小生の感覚でいえば、こんなお店の方が美味しい場合が多いと盲信している。
ドンブリが欠けていたりしても、美味しいラーメンであれば、納得して許してしまう。
週刊誌のページを開くと、あちこちにシミがあっても気にしないで、読みながら食事をする。
  
前のお客のラーメンの汁で汚したテーブルを、おばちゃんが雑巾で拭くと、見違える様に綺麗になる。
だが、あの雑巾が本当に科学的に綺麗 なのかは考えものであるが、視覚的に綺麗 にはなる。
  
ファミリーレストランはさすがに、店内はきれいに掃除してある。
メニューはラミネート加工 してあり、綺麗そうにみえるが、ラミネート加工自体 がネチョネチョするのか、
汚れでネチャネチャするのか、判らないが、何となく手触りが気持ち悪い
  
しかし、汚いラーメン屋のメニューよりは、細菌学的には綺麗なのであろう。
  
しかし、回転寿司のお店では、衛生的に汚いのは勿論やばいし、視覚的に汚いお店もお客から敬遠される。
どんなに、保健所の検査に合格していても、視覚的に汚いお店は繁盛店にはなり得ない のである。
 
極端な事を言えば、顔からして違う。
ラーメン屋の親父のあぶらぎった顔 が、ラーメンを美味しくさせるが、
あの顔で寿司を握っては汚らしい。
   
寿司屋の親父はあぶらぎった顔をしていてはいけない のである。(?)
  
これは一種の職業病で
散髪屋(美容院)の親父に色黒のマッチョマン がいないのと同じ理屈である。(??)
 
寿司皿も綺麗に洗ってあるのは、結構であるが洗いすぎて絵柄が消えかかっているのは、
欠けたドンブリと同じレベル である。
  
昔は、皿を見ただけで、こっちの寿司よりこの寿司の方が値段が高いと想像がついたが、
最近は、寿司皿も高級志向で一目では判断し難い。
  
そこで、皿に金額を印刷してしまった回転寿司屋さんもあるくらいである。
  
余り色のけばけばしい皿に寿司を盛りつけた場合は寿司がケーキかゼリーの様になってしまうので、
白を基調にした落ち着いた皿が良い。
 
湯飲みに茶渋の絵柄も似合わない
   
高品質の寿司を売り物にしているお店は、湯飲みにも気を配って欲しい。
月に一度ぐらいは、おやすみの日に漂白剤で漂白しては、いかがであろう。
   
これで貴方のお店も繁盛店の仲間入りです。
 
                (尚、当ホームページでは寿司皿、湯飲みの販売はご希望があれば致します。)
  
  
                                   


 ポケットベル 

 

郊外の幹線道路を車で走っている時に、道路沿いのいろいろなお店の駐車場を見て、
お客の入っている状況を想像するのも楽しい。
  
特に、気になるのは、やはり、回転寿司屋の駐車場である。
お店がガラス張りになっている場合が多いので、店内まで覗き込んでお客の入りを偵察 してしまう。
 
小生の通勤に使う道路沿いにも何軒かの回転寿司屋があるので、毎日の日課が覗き になってしまった。
 
市街地にある回転寿司屋に出掛ける場合に駐車場がないので困る事がよくあるが
郊外にある回転寿司屋はその点では、広い駐車スペースを確保しているので
下駄代わりに車を使っている小生には、大変ありがたい。
 
広い駐車場を利用して、乗って来た車の車内で入店の順番待ち をしてもらっている回転寿司屋もある。
  
この回転寿司屋では、待ってもらうお客に、ポケットベル を渡し順番が近づくと、
呼び出すサービスを実施している。

30分以上待たされる様であれば、近所のコンビニにも安心して買い物に行く事も出来る。
  
この方法が全国的に流行するかも知れない。
     
これから、寒くなって来るが、店内にウエイティングルーム等 がある場合は良いが、
店の外で立って待たされる様なら、別の回転寿司屋へ行きたくなる。
  
最近の家族連れは、大型のワゴン車で来店される方が多いが待っている間、
車の中で、TVを見たり、(TV)ゲームをしたりして、子供を飽きさせないで、順番を待つ事が出来る。
   
順番を書き込む用紙に携帯電話の番号を書き込む欄を作っても良い時代かも知れない。
 
ファッションホテルも人気のあるホテルは順番待ちが必要であるらしい。
  
予約の申し込みは携帯電話で行ない、空室 が出ると電話が掛かって来る。
  
予約の時に名前を告げるのであるが、やはりこの場合もキムタク等 の芸能人の名前が多い様で、
キムタクさんは予約されてますので異なった名前でお願いします。
と、なじられたりするそうである。
  
人気のある名前はすぐに使われてしまい、結局、『 シノハラ 』 になってしまったお客もいたそうである。
 
ファッションホテルの駐車場は、外からは見えない様に工夫はしてあるが、
車で通り過ぎる時など、タイミングを測って、ちらっと、覗くのも小生の楽しみの一つである。
 
何となく、他人の事でも気になるのは修行 が足りないからであろう。
 
覗いたからと言って、知人の車が止まっている訳などないが、
助手席に座っている愚妻までもが、一緒に覗く のは何か意味でもあるのだろうか。
 
もし、車の助手席に異性を乗せている機会に、この様な場所を通過する時は、
一応、助手席の方の目線をチェックしてみるのも面白いかも知れません。
  
 


 ベンツ 

 
 
朝の一番から、回転寿司屋の店先に2台のタクシーが止まった。 
時間は、未だ10時半である。(この店の開店時間は11時)
もちろん、店のドアーは開いていない。
 
ベンツ等の高級外車 で、回転寿司を食べに来る方は沢山おられるが
朝一番から、タクシーで乗り付けるお客は初めてであった。
 
とうとう、当店も朝一番から、行列の出来る店 になったのか、それもタクシーでお越しになった。
店長は、内心ほくそ笑んで、店先に目をやった。
 
ゲッツ! 列は5人であるが、全員外人さん
予期せぬ訪問に、店長は多少とまどった。
 
この外人さんは、昨夜、店先を偶然通り掛かって、店の繁盛ぶりに驚き、
朝一番に駆けつけたのであろう。
 
開店と共に、彼らはカウンタに陣を取ったが、さすがに体が大きいので、椅子は一つおきに座った。
パートのお姉ちゃんになにやら話しかけるが、全く意味が通じない。
 
言葉をよくよく聞くとこの外人さんは、どうもロシア人らしい。
当地は裏日本(地元の人はこの言葉を嫌っている)で、市内の港にはロシア船が多数入港する。
 
いくら大卒の店長でも、ロシア語は全く判らない。
だが、彼らの中の一人 が、たどたどしい英語で イクラ の皿を手に取って、『ハマチ? 』 と店長に聞いた。
  
思わず、店長は 『 ノー、ハマチ、ディスイズ ア イクラ 』 と英語(?)で答えた。
通じていない様な冷たい視線を感じた店長。
 
しかし、だてに店長はやっていない。
とっさに、『ハマチ 』 は、『 はまち 』 ではなく How much? なのであろうと思い、
続けて、『 ディス イクラ イズ ワンハンドレット フィフティン エン 』 と続けた。
 
巻きひげの大男は、それを聞いてようやく、うなずいた。
 
彼らはロシアから、鮭や蟹を運ぶ船の船員か、バイヤーなのであろう。
だから、イクラの値段が イクラか気になっていた のである。
 
この夏、イクラの需要はO-157事件で落ち込み、輸入も激減した。
  
そろそろ、諸君もイクラに帰ってきて頂いても、よろしいのではないか。
ついでに、貝割れも宜しく。
イクラ協会(?)  貝割れ協会(?) に成り代わり宜しくお願いいたします。
 
ローカルな話であるが、ロシア人が港の商店街の抽選会で一等の冷蔵庫 に当選したが、
二等のマウンテンバイク に交換してロシアに持ち帰ったそうである。
 
ロシアでは、夏でもさほど冷蔵庫は必要ないのであろうか。
 
日本列島もめっきり寒くなってきました。
 
今度の給料日には、イクラ と 貝割れ巻き(?)と 暖かい茶碗蒸しを召し上がってはいかがですか。 
                               
 


 脱水状態 

 
 
ラーメン、ライス、餃子にビール。これが小生の出張時の夕食の定番である。

どこにでもある特徴の無いラーメン屋であったが、食べに入った。

ビールを飲みながら、餃子の焼け具合を気にしていた時に、ふと、気付いた事がある。

ラーメン屋は、ほとんどのお店がオープンキッチン方式 を採用していると言う事に気付いたのである。

オープンキッチン方式 とは、ラーメン屋とか、(たち)寿司屋とかの調理現場を客に見せる方式の事である。
小さいお店の場合は特に、この方式で営業しているケースが多い。

この方式に対して、食堂、レストラン などは、調理現場を、客には見せないシステムにしてある。

どちらの方式が良いかは、別にして、最近、オープンキッチン方式 が見直されてきた。
自分の注文したものの、制作過程を見る事が出来るし、又、他の客の注文したものも見る事が出来る。
結構、楽しいものである。

日頃、自分では、注文しないものでも、なんだか美味しそうに見えたりして、
次回はあれを注文してみようと言う気にさせられる。
  
回転寿司屋も、オープンキッチンで、活魚をさばいて見せ、ネタの新鮮さをアピール したりしている。
これは、たち寿司からの伝統を引き継いだものである。

オープンキッチンで気をつけなければいけない事は、常に清潔 にしていなければ いけない事である。
回転寿司屋は生ものを扱っているので、特にその点では、どの店もきれいにしている。
  
オープンキッチンでは板さんの作業が良く見えるので、どの寿司が新しいか見ていれば判る。
一度に同じネタの寿司を 5,6皿くらいを造っている様であるが、
ベルトの上に乗せるまでの時間が もどかしく感じる事もある。

客の全員が板さんの一挙一動に注目し、新しい寿司をベルトに乗せたと同時に取ろうと待ち構えている。
新しく造っている寿司と同じネタの寿司がベルトの上に残っている場合は、
新しい寿司が出来るのを全員が待っている。
 
結局、古い寿司は、砂漠のドロンズ状態 になって脱水症状で死んでしまうのである。

キッチンの内側を客に見せない回転寿司屋さんへ食べに入った場合は、
客(貴殿)の技能が問われるのである。
 
どの寿司が新しい寿司かを、自分で判断 しなければならない。
 
小生なんぞは、目が効く から問題ないが、素人には、チィト難しい

一般的に、この様な回転寿司屋さんは、オープンキッチンの回転寿司屋さんより、
若干、寿司の単価が安い 感じもする。
 
そこで、貴殿も日頃より鍛錬を積み、切磋琢磨臥薪嘗胆一日一膳(?)で業(わざ)を修得されたい。
業を修得する事で、美味しい寿司を安く頂けると言う、大きなメリットがある。
 
さて、今日は、どちらの回転寿司屋へ足を運ばれますかな。
  
   


 詐欺罪 

 
 
拙僧の実家は、静かな海辺の山村(?)の農家である。
  
村のイベントと言うものは、村祭りと選挙ぐらいなものしかない。
 
久しぶりの市会議員の選挙 が、行われた時の不思議な事件の話である。
 
村から出馬したA候補 は、先代からの水産業を営む傍ら 回転寿司店も経営する青年実業家 であった。
 
さっそく、A候補の後援会や青年団は小学校の講堂に支持者を集め、選挙演説を開催したのであったが
その折りに、A候補の経営する回転寿司店より取り寄せた、にぎり寿司を講演会場で昼食 とした。
 
ここまでは、まあ、良くある話であるかも知れない。
 
だが、これを聞きつけた、隣り村のB候補
彼は地元での酪農業で成功し、肉屋さんの社長 さんでもあった。
 
そちらが寿司なら、こちらの選挙事務所の昼食時は、焼き肉で対抗しようと
選挙事務所の前で焼き肉パーティ  が始まった。
 
かくして、選挙は激戦となり、市内には
ハムの詰め合わせ引換券 と、回転寿司無料寿司券 が飛び交う市内戦となった。

静かな村は、TV、ラジオの取材陣が押し寄せ
寿司、ハム戦争 』とはやし立て史上最大の盛り上がりを見せた。
 
長い、激戦の末、回転寿司候補は、残念ながら、回転寿司の効果もなく、落選 してしまったのである。
 
当選すれば、何とかなるものでも、落選したとなれば、お決まりの選挙違反のガサイレ が始まる。
善良な村人の何人かは、事情聴取なるものを、受ける事と合いなった。
 
無料回転寿司券が、買収 に当たるとの判断。
 
中には、誰が寿司を食った食わないの論争まで発展したが、
寿司の味までは、事情聴取されなかった様である。
 
警察の調べが進むにつれて、新たな事実 が判明してきた。
 
飛び交っていた無料回転寿司券 には、有効期間の記載 社印 が押されていなかったのである。
これは、回転寿司屋を倒産させ様とする陰謀か、あるいは、回転寿司屋の策略か。
 
だが、どっちらにしても、有効期間の記載 が無く社印 が押してなければ、
これは、紙切れ同然の無料寿司券 モドキ、ニセモノ。
と言うことは、買収 には当たらないのかな?
 
早い話が、選挙期間中の回転寿司屋は支援者の方は、食べ放題状態であったのである。
無料寿司券がなくても、食べ放題で支持者に解放したかったのである。
 
では、そのニセモノ無料寿司券で、回転寿司を食べた人はどうなるか。
 
詐欺罪である。(金券偽造及び試行の罪?)
 
しかし、詐欺罪は、民事事件 で被害者が告発しなければ、罪には問われないのである。
 
そんなわけで、たぶん善良な村人は無罪放免となり、
静かな海辺の山村の村には再び、平和が訪れるのである。
 
貴方のお持ちの無料寿司券には、有効期間の記載と印は押して有りますかな。
  
 

                                   追伸: 事実にもと付いたフィクションです。
 
 
 


 檜のカウンター 

 
 
今回は、チョット気になる、気に入らない回転寿司のあそこ にメス を入れてみよう。

大きな皿で大きな寿司を乗せた回転寿司をたまに見かけるが、
回転寿司関係のホームページには、これらの寿司の事は、あまり話題になっていない様である。
どちらかと言えば、小生もあまり好みではない

食べ難い のが最大の問題点であろう。

回転寿司通は同じ意見なのだろうと思い勇気 を持って筆を取った。

チョットやりすぎじゃないかと思う位大きいネタ のお店があるが、
客集めには、良いのかも知れない。
 
いくら 『 魚が好き 』だ、『 寿司が好き 』 だ、と言ってもネタが大きすぎて、生臭さを感じる 事さえある。

美味しいトロやタコも、シャリが少ない分、見方によってはグロテスク にも見えてくる。

寿司はネタを下にして、舌の上にネタを乗せる様にして、口の中に入れる。
こうすると寿司の味が良くわかり、美味しく食べる事が出来る。

しかし、この食べ方では、大きなネタだけが口の中に一杯になり、寿司本来の味ではなく、
生魚の味 になってしまう。
又、ひとくちでは食べきれないので、シャリが真ん中で崩れ、食べ難い。
   
大きいだけなら まだ許されるが、その分、きっちりと金額も高い ので、これもまた気に入らない。

また、ネタが皿からはみ出している 場合もあるが、これも、またまた気に入らない。

寿司の中には、ネタの重さに耐えかねて、つぶれてしまっている寿司 も たまに廻っている。
つぶれた寿司 や、倒れている寿司 を、そのまま、ベルトの上で回し続けている
お店の方にも問題 が有る。
 
こんな寿司でも、当店は繁盛店 だから、『食え!』 と言っている様に廻っていると、
二度と来るものかと思い、ホームページで告発 してみたくなる。

寿司はやはり、シャリとネタのバランス が大切である。

たぶん、寿司職人の少ないお店が、大きなネタを使っているのではないかと勘ぐりたくなってしまう。
なぜなら、従来の大きさの寿司は、少なからずも、手で握る事は出来るが、
大きな寿司は、手で握れない はずである。
 
それとも、裏の方に手の大きい小錦 みたいな板さんがいるのであろうか。
 
つまり、製造工程を考えると、シャリの上にネタを乗せるだけで、寿司が出来上がる。
 
また、カウンタに寿司皿を置いた時に、カチャ、カチャ と音の出るカウンタが有るが、
あの音も頂けない。
 皿だけが豪華に見えているが、安っぽい音がして寿司がまずくなってしまう。
 
やはり、檜の正目のカウンタ は無理としても、落ち着いた木質が良い。
 
ご賛同していただけましたかな。
それとも、拙僧の一人よがりかな。