昔の夢 21  



 回転寿司太郎 

 

庵に帰ってみると通信販売 の厚いカタログが何冊も置いてあった。

20年ぐらい前にTVの通販で有名になった健康器具でスタイニー と言う製品があったが、
今でも健康器具が沢山、通販で売られている。

どの家庭にも通販の厚いカタログの1冊や2冊はあるだろう。

この手のカタログ(通*生活、とか、メルデ*ン家族、シ*ディー、生活共*組合等)で
小物や衣料品を買うのが、主婦のストレス解消法になっている。

拙僧も、暇なときにペラペラとページをめくるのが好きであるが注文をした事はない。

時には、こんな商品は誰が買うんだろうと悪口や、
近所のホームセンターの方が安いとか、家族で悪態をつきながら楽しめる。

その中で、珍しい商品を発見した。

いつか誰かが作って売り出すだろうと思っていたが、とうとう発売されました。


(飯器を置くとゆっくり台が回転します。)

ネーミングもそのものズバリの ファミリー回転寿司太郎 

回転寿司をイメージさせるネーミングであるが、これはどう見ても手巻き寿司セットのようである。
中華テーブルのミニチュア版と言う物であろう。

そこで今回は中華テーブルで食事をする時のマナーを、、、。

中華テーブルとは、赤く塗った円卓のテーブルで、
その真ん中に少し小さい回転テーブルが備えられたテーブル。

裏通りのラーメン屋なんかには無く、
高級中華料理店(?)や、本場の中華料理を食べさせるお店で見る事が出来る。

5〜6人ぐらいで食べるのに適しており、1人や2人では普通のテーブル席を利用する。

注文をした中華料理は大皿に盛られて、回転テーブルの上に置かれる。
各自が回転テーブルを手で回し大皿を自分の前にもってきて、
そこで小皿に取り分ける。 早い話がバイキング方式である。

テーブルを回す時は、他人が料理を取っていないのを確認して廻すこと。
そして、料理は食卓にいる人数を目で数えて、人数分の1を取り分ける事。

例えば、海老チリソースあえ などは、バイキングと言っても海老は人数分しか入っていないので、
1人で海老を何匹も取ってしまうと、最後の人は海老抜きになり
チリだけソースあえ を食べるはめになる。 (;_;)

別の料理を取り分ける場合は、新しい取り皿を使うのも忘れてはならない。
同じ皿でいろいろな料理を取ると味が混ざってしまい美味しくなくなる。

使った皿は、回転寿司屋さんのように重ねたりしなくともウエーターにかたずけてもらえるし、
新しい皿も持ってきてもらえるので安心して新しい皿を使おう。

中華にはお酒は紹興酒 と相場が決まっており、梅干し や、レモン を入れて試してみよう。
飲みにくいからと言って、紹興酒のビール割り 焼酎割り で飲んだりすると
中華テーブルが自動的に廻りだしてしまうので、要注意。

最後に杏仁(あんにん)豆腐を食べれば、無事終了です。

これだけ知っていれば、貴方も今日から 回転中華料理 評論家 です?
 
 


 タイムトンネル 

 
 
とうとう発売されました。究極 の回転寿司コンベアー

このコンベアーを開発したのは、 (株)寿司テック (?)と言う会社である。

まずは、性能から紹介しよう。

ベルトに乗せられた寿司が永久に乾く事がないと言う優れた性能を持ったコンベアーである。

これを読むと、どうせ自動的に寿司キャップをかぶせる機械か何かだろうと思われるだろう。

しかし原理は、唯物論的相対性原理 に基づくもので、
その辺の物理学者では理解が出来ないくらいに難しい原理らしい。

その証拠に、マニアル書だけでもパソコンを買った時の倍近くの量が渡される。

外形は、従来のコンベアーに1mのドームが取り付けられているだけである。
ドームは、直径が約60cm位で内部には怪しげな輪状の模様があり、
このドームの中に寿司が引き込まれていく。

気になる性能とは、
ドームに入った寿司はドームを出る時に、時間が約5分間戻る と言うタイムマシン。

寿司がドームの中に入っていく度に大きな音と光を発して見えなくなる。

その後、2〜3秒後ドームの出口から、さきほど見えなくなった寿司が、また光と音と共に現れてくる。

見た目には同じ寿司に見えるが、実は作ったばかりの寿司 に変わっているのである。

ベルトを1周する時間を正確に測定しその時間だけ、タイムスリップさせている のである。

製品名もズバリ、BACK TO THE 回転寿司  

であるから、この時間設定が非常に重要で、もし間違った時間設定をしたまま、
タコの寿司をドームに入れると、出口からは寿司皿の上に生きたタコ が乗って出てきてしまう。

こんな失敗は何度か経験した。
タコやアナゴや活きの良い100Kgを越すマグロ がお店の中で暴れだし、
後始末が大変だった苦い経験である。

メーカーはその後、事故防止の為に最大差し戻り時間 を30分までしか設定できない様にした。
活きネタを使う回転寿司屋さんでは充分な注意 が必要である。

最大に便利な事は、空皿を乗せると自動的に寿司が乗って出てくる事 。

しかし、まだOSの動作が安定していないのか時々トラブルが発生する。

先日も 『ドームに入った寿司が出口から出てこない 』 と言うクレームが発生した。

サービスマンが点検した結果では、アウトプット回路のタイムGPSが故障して
1800年台の大井川の川岸 に出力されてしまったらしい(?)

まだまだ完成度は低い様であるが、このメーカーはここ1ヶ月で既に300台を受注している。

密かに回転寿司公社が調査した結果では、

同メーカーは次期の新製品として、
タイムスリップの時間設定がプラス側に設定の出来るベルト を開発中らしい?

馬糞ウニの軍艦巻きを、ベルトに乗せて24時間プラス側にタイムスリップさせると、
ドームの出口からは、何が寿司皿に乗って出てくるのだろうか?  (クサア〜)
 
 


 田舎者の寿司 

 
 
TVでコマーシャルをしている フランチャイズ チェーン(F.C)のラーメン店に行って来た。

11時30分(午前)の開店であるが、5分前頃から客の列が出来始めた。
列と言っても7〜8人程度であったので、車の中で待っている事にした。

開店と同時に席に着き、お薦めの チャーシュー麺 を注文する。
値段は900円であり、市場価格から比較すれば約2倍の金額で、
おおいに期待して待つこと5分。

一口食べたその瞬間に 『まずい !』 と言う言葉が出そうになった。
麺とスープはぬるい し、チャーシューも小さい

スープは豚骨味の、こってり味である。
胡麻をたっぷり入れて食べて下さい!』 と言われたが、
胡麻を入れるとスープの温度がますます下がって、更に美味しくなくなった。

麺やスープのどこかに評価出来るポイントがあるはずと思い、
必死に味わってみたが、単にまずいだけのラーメン であった。

帰ってきてからも、胃の中が重く胸がむかむかして気持ちが悪い。
2度と食べに行くものか。知人にも注意する様にと、 『まずい !』 と言いふらしている。

拙僧の知人には、ひねくれ美食家が多いのか、
どの位 『まずい !』 かを試しに食べに行く強者(つわもの)が現れた。
彼からの評価も、最高得点の10点満点の不味さ

原因は、我々が豚骨味に馴染みが薄いからであろう?(店をフォローしたつもり)

味の評価は各地方で異なっている為
こんな味でも、たぶん某地方では美味しいという評価がもらえているのだろう?

豚骨スープが受け入れられない地方では、
豚骨スープにどんなに精魂込めて調理しても受け入れられない。

こんなに味の評価が違う事は、ラーメン屋だけに限ったことではない。

日本各地の味噌の味や、醤油の味、塩味の味付け等が大きく違う。
辛みや甘みは南に行く方が強く、塩味は北に行くと強くなる。

では、寿司酢の味はどうであろう?

関東地方は酢の効いた味が好まれ、関西地方は甘味の強い味付けが好まれている。

回転寿司屋さんでも、この事を知らずにベルトの上に寿司を乗せると、
どんなに活きの良い魚を仕入れて来ても、評判が良くない。

その為に回転寿司のオーナーは出来るだけ、地元の職人を採用する傾向がある。

チェーン店が開店する場合には、最高のネタを仕入れて開店準備をととのえているが、
美味しいと評価してもらえない場合が時々ある。

これは、開店の日に、 お客がドット押し寄せ大忙しになるため、
F.C本部から派遣された 最強職人軍団 がベルトの内側で寿司を握る手伝いをすることがある。

応援部隊の職人は仕事の腕前は良いのであるが、味付けが地元の味に即していない為に、
いまいちの味と評価されてしまう。
 
もし、開店当日の寿司の味が、それほどでもないお店が有りましたら、
1〜2週間後にもう一度、再評価してみて下さい。
 
貴方好みの、田舎者の味付け になっているかも知れません? 
 
 


 消毒済み 

 
 
帰省の渋滞に巻き込まれ車内は蒸し風呂状態であった。

真夏の太陽に曝されてはエアコンをMAXにしても、焼け石に水。

そろそろお昼も近いし道路沿いの回転寿司屋さんに入って涼んで行く事にした。

お店は冷房が効いており、アルバイトの女子高生からオシボリを渡されると、ほっと一息つく。

オシボリを渡された男性の100人中 90人までが、まず顔を拭くらしいが、
さすがに、女性は(厚)化粧が落ちるのを嫌ってか顔は拭かない。

そこで、今日はオシボリ に付いての オ、ハ、ナ、シ 。

オシボリで思い出すのは、日本の飛行機会社が機内でオシボリのサービスを始めた頃の話。
米国の飛行機会社がそれを真似てオシボリサービスを始めた。(アルサロのオシボリサービスではない)

スチュワーデスが、口に白いマスクをしてピンセットでオシボリを1本づつつまみ上げて、
乗客に渡していた覚えがある。

消毒済みの無菌オシボリ らしいが、何もそこまでして渡さなくても良いだろうと思っていたら、
予想通り数ヶ月で、オシボリのサービスは無くなってしまった。

オシボリは、やはり日本の文化である。

レストラン等のちょっと高級な所(?)では、布製のオシボリを使っているが、
回転寿司屋さんでは、紙製のオシボリを使っている場合が多い。

布製のオシボリは冷やしたり暖めたりして使用される事が多く、
夏には、やはり冷たくしたオシボリがありがたい。

ところで、両オシボリとも密閉されたポリ袋に入っている。

袋が密閉されているので、衛生的に感じるので、
袋には、わざわざ消毒済み なんて野暮な事は書いてない。

では袋が密閉されていなければ 、どう感じるのであろう。

例えば、ホテルに泊まった時には必ずお目に掛かる例の奴。

冷蔵庫の上のコップが入っている、消毒済み と印刷された袋。
確か、あの袋は密閉されていない。

あるいは、便器のフタに消毒済み と印刷された帯。

表示は実に的確で判りやすいが、どう見ても胡散(うさん)臭い。

消毒薬の成分の表示もないし、消毒薬の臭いもしない。
 
あの印刷された表示を見る毎に、本当に消毒したのかと疑惑が沸く。
消毒済みを誇張しすぎるのは、逆効果であろう。

回転寿司屋さんの割り箸も密閉されていない袋 に入っているが、
消毒済み と印刷すると余計に汚く感じるのではないか。
 
爪楊枝に至っては、箸入れのすみっこに押しやられているが、
未だ汚いと感じた事が無いのは何故だろう。
 
もしも本当に消毒済みなら、JRのトイレを見習って
消毒薬の成分の表示や実施者の氏名と判子、日付を記載して欲しい。

が、JRのトイレの日付を見て、消毒した日から1週間も過ぎていると
そろそろ消毒しろよ! と落書きでもしたくなるのも、
ひねくれ者の拙僧ならではの心理状態なのだろうか?

尚、回転寿司皿は 消毒済み と印刷した袋に入っていませんが、
消毒済み です。
 
 


 有機野魚 

 
 
今年の夏の暑さは異常である。
場所によっては雨が降り続き、生鮮野菜 が不足し始めている。

野菜が不足し、小売り価格に反映され高騰している。

野菜の高騰は時々ニュースになるが、魚の高騰のニュースが無いのはどうしてだろう。

養殖魚のハマチが赤潮で大量に死んだとニュースで報道されるが、
なぜかハマチは高騰しないようである。

赤潮の発生は、地域的なもので全国的に影響は与えないようだ。

回転寿司屋さんでは、200円皿のハマチは、今日も明日も200円である。

ハマチは安定供給の食材に分類され電話1本でお店まで届けられるし、
3枚におろした状態で仕入れる事も可能なくらいに流通している。

冷凍のネタと同様に、それほど仕入れ価格に大きな変動のない魚である。

しかし、天然魚の場合は、変動相場 の世界である。

仕入れ業者がいる場合や、お店が河岸まで足を運び仕入れてくる場合など条件が違うにしても、
日によって、あるいは魚の種類によっては、入荷(水揚げ)がゼロの時もある。

スーパーや魚屋さんでは昨日は1匹100円のイワシを200円にも出来るし、
300円の値付けも可能である。

この様な状況に於いても、回転寿司屋さんは一度決めた200円皿のアジは、
200円皿に乗せて頑張るのである。

たぶん、(もちろん)社会に貢献したいと言う意気込みからであろう?

天然魚の価格変動の原因としては漁獲量が大きく影響し、その漁獲量は天候に左右される。
台風が来て出漁が出来なければ、当然、漁獲量は激減し市場では高値が付く。

事前に予想出来る台風などの時は、多めに仕入れる事で価格の安定を計っているのは、
たち寿司やスーパーのように安易に値上げが出来ないからである。

その理由は、回転寿司屋さんの価格体制は概ね100円きざみで皿の絵柄が決められており、
200円皿を220円とか240円に簡単に変更する事は出来ないから。

もし、値上げにふみきれば、200円皿に乗っている寿司の全部が値上げになってしまう。

やむなく値上げをする場合は、その寿司だけを 1ランクアップの300円 とするしかない。

そう考えると、回転寿司の値段は非常にアバウトだと気が付くであろう。

原価率の高い寿司と低い寿司が入り交じってベルトの上を回っているのだ。
客としては、ちょっとでも原価率の高い寿司を食べ、何となく得をした感じになりたい。
 
では、どうしたら見分けられるか、お教えしよう。

例えば、アジが値上がりした場合はアジ皿は必然的に少なくなり、
最悪ではベルトの上から姿を消す。

しかし、お客に喜んでもらいたい (?)から無くす訳にもいかないので、
赤字を覚悟で少しだけ廻すのだが、やっぱり、ネタも小さくなってしまう。

以上の事から判るように回転寿司屋さんへ行ったときは、
ベルトの上にあまり多く回っていない寿司で
ネタの小さい寿司が、お買い得な寿司と言う事になる(?)
 
この理屈でベルトの上を見渡せば、、、、、  あの寿司かな〜 お薦めは?
  
 


 上様 

 
 
寿司通なら知っていて当然の重要な事がある。寿司を食べる上での、いわば定石である。

昔から言われている食べる順番は、最初は光り物 から始めるのが良いとされている。

光り物 とは、アジやコハダ、キス等の表面の光った魚を指す。
これは、お店の酢の具合が容易に確認出来るからである。

次ぎに、煮物 を味わう。
具体的には、アナゴやシャコが良いだろう。
アナゴやシャコにはツメをネタの上に付けて食べるが、ツメもお店によって味に工夫がなされている。

最後は、巻き物や卵焼きを食べシャリの味を確認するのが正当派と言われている。

次に寿司の食べ方 を説明する。

まず、親指、人差し指、中指の三本で軽くつまむ。

この時に寿司の手前ではなく向こう側の端をつまむようにすると、持ったときにネタが下になり、
ネタに醤油が付け易く、又食べるときにはネタが舌の上に乗りネタの味が良く判る。

注意しなければならないのは、醤油はネタに浸ける物でありシャリには浸けないようにする。

以上が、本家、たち寿司のお召し上がり方。

だが、この記事を読んだからと言って、たちのお店にいきなり飛び込んで
板さんに、『 今日のお薦めはなんだい?』
なんて軽く声を掛けたりする無謀な行動は控えた方が良い。

素人がたちの寿司屋さんで知ったかぶりをして、こんな事を言おう物なら、 
へい旦那、いい大トロが入ってます。今日のは滅多にお目に掛かれないシロモノですよ。』 
などと言われたりするのが落ちである。

血圧値が一気に50は跳ね上がり狭心症が悪化し、美味しい寿司もだいなしになってしまう。

拙僧の知っている寿司通は、(たち)寿司屋さんで寿司は食べずに刺身 しか食べない。
はなはだ、贅沢な人種がいる。

寿司で食べるより、刺身で食べる方が沢山食べられるし、お酒も美味しいのは当たり前。
こんな事が出来るのも、接待と言う良きシステムがあってこその裏ワザである。

出来ることなら拙僧も一生に一度 は、
(たち)寿司屋さんで 『 今日のお薦めを刺身にして!』 と純米吟醸の 越*寒梅 を頂いてみたい。
 
ところで、得意先を接待 するのに回転寿司屋を利用する会社は、
日本でも 2社( ここ と 例のもう一社 ) ぐらいしかないと思っていた。

しかしこの頃では、安(?)サラリーマン連れが畳席を占領し接待 をしている光景を見受ける。

日頃、たち寿司屋でしか接待 を受けたことのない高級官僚(?)が
まずは、光り物 からとアジの皿を取ったりすると、苦笑してしまう。

回転寿司屋では、たち寿司の定石は何の役にも立たないのは、諸君もご存じ。
 
だが、こういう 接待連中 が増えてきたので便利な事もある。
それは拙僧が会社の経費で回転寿司を食った時に、領収書がもらい易くなった事だ。
 
貴方は、経費で回転寿司を食べたことがありますか?
経費で回転寿司を食べると、ひと味違った美味しさが発見できますぞ!(本当?)